障害年金と生活保護のメリット、デメリットを比較してどちらが有利であるかを比較している方をホームページで見かけることがありますが、それは無意味です。
生活保護は必要最小限の生活を営むために保証された国の制度です。その支給は、市区町村で行いますが、申請する方が障害状態にあり、障害年金の受給資格を満たしているとケースワーカーが判断すれば、障害年金を申請するように求められます。生活保護費は全額税金から支給されているので、障害年金を受給する権利がある方にその申請を促すことは当然のことです。役所は障害年金額を差し引いた金額を生活保護費とすることにより限られた予算を他の生活保護受給者に回すことができ、その分生活困窮者を救済することができます。
東京地区での生活保護費は単身者で約14万円/月に対して、障害年金(2級)は約6万5千円です。色々言われて面倒くさい生活保護費は受給しないで障害年金だけで生活すればよいと考えてもこの金額で生活していくことは困難です。
つまり、生活保護を考えるほど生活が困窮している方に生活保護か障害年金かの選択肢は無いに等しいのです。
しかし、健常者ならいざ知らず障害をお持ちの方が御自身でその申請をすることができるでしょうか。申請書類は、市区町村や年金事務所へ行けば入手することができますが、提出書類は、「受診状況等証明書」、「診断書」の医療機関発行文書、「病歴・就労状況等申立書」の発病から障害認定日、申請日までの状況を説明した文書が必要です。これらの書類の作成を医療機関に依頼したり、自分で文章を書いたりすることはかなりの労力を要しますので、身体が不自由であったり、精神の障害の方にはかなり困難なことではないでしょうか。